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性犯罪無罪判決について(静岡地裁浜松支部)

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福岡県久留米 準強姦罪 静岡県 強制性交等致傷罪 の無罪判決が出ました。 あまりにも納得できない ので所感を書きました。 福岡県久留米支部  準強姦罪無罪判決の記事は こちら 【 強制性交等致傷罪無罪判決( 静岡県地裁浜松支部) 】  静岡県磐田市で昨年9月、女性(25)に乱暴し、けがを負わせたとして強制性交致傷の罪に問われたメキシコ国籍、浜松市中区の男性工員(44)の裁判員裁判判決公判で静岡地裁浜松支部は2018年3月19日、無罪(求刑懲役7年)を言い渡した。  山田裁判長は、男性の暴行が女性の反抗を著しく困難にする程度だったと認めた一方、女性が抵抗できなかった主な理由は、女性の「頭が真っ白になった」などとする供述などから「精神的な理由によるもの」と指摘した。山田直之裁判長は「被告人が、自身の暴行が(女性の)反抗を著しく困難にする程度のものだと認識していたと認めるには合理的な疑いが残り、故意が認められない。犯罪の証明がない」などと判決理由を述べた。  男性からみると女性が明らかに分かるような形で抵抗を示すことができていなかったと認められると説明し、「被告人は相手の反応をうかがいながら行動をエスカレートさせ、拒絶意思を感じた段階で行為をやめたとも評価できる」と述べた。   ▼私の意見 「頭が真っ白になった」などとする供述などから「精神的な理由によるもの」と述べていますが、 「頭が真っ白になった」のは加害者から攻撃されたからです。 「明らかに分かるような形で抵抗を示すことができていなかった」と述べていますが、 恐怖で固まってしまったら抵抗はできません。 フリーズは危機にあった人間の当然の反応です。 生き物はまず危険が迫ると「フリーズ(freezing)」して危険をやり過ごそうとし、そのあとで「逃走か闘争か」を判断するが、どちらも成功しないと判断されたときに「強直性不動状態(Tonic immobility)」の状態になるとされています 。性暴力という身の危険にさらされ、身体が動かなくなることは、本能に持基づく正常な反応ですが、裁判では「抵抗しなかった」と判断される根拠となっています。 また、相手にわかるような形で抵抗することがどれほ

性犯罪無罪判決について(福岡地裁久留米支部)

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福岡県久留米 準強姦罪 静岡県 強制性交等致傷罪 の無罪判決が出ました。 あまりにも納得できない ので所感を書きました。 <概要> 【 準強姦罪無罪判決(福岡地裁久留米支部)】 2017 年 2 月 5 日福岡市博多区の会社役員の男性( 44 )が、福岡市の飲食店で当時 22 歳の女性が飲酒で深酔いして抵抗できない状況にある中、性的暴行をした、として準強姦(ごうかん)罪で起訴された。  西崎健児裁判長は「女性が拒否できない状態にあったことは認められるが、被告がそのことを認識していたと認められない」と述べた。   判決で西崎裁判長は、「女性はテキーラなどを数回一気飲みさせられ、嘔吐(おうと)しても眠り込んでおり、抵抗できない状態だった」と認定。そのうえで、女性が目を開けたり、何度か声を出したりしたことなどから、「女性が許容している、と被告が誤信してしまうような状況にあった」と判断、福岡地裁久留米支部は2019年 3 月 12 日、無罪(求刑・懲役 4 年)を言い渡した。 ▼私の意見 どうしてこのような無罪判決が出るのか、強い憤りを感じます。 久留米での事件は、加害者が「誤信」したという一点のみを持って無罪でした。 「女性が拒否できない状態にあったことは認められるが、被告がそのことを認識していたと認められない」 と述べられているので、相手が同意していると「誤信」した。つまり、誤解したのであって 故意(自己の行為が法的に(刑法上)禁止されているものであると認識)ではないので 無罪の判断になります。 法律上の理屈はあっているのかもしれません。 しかし、言い換えれば 「嘔吐していて身動きもできない女性が、性交を拒否できると加害者が思っていた」 その加害者の認識は正しいです。 と裁判所が言っているようなものです。 「加害者の認知の誤り」を肯定しているのと同じで その判断には非常に問題があります。 嘔吐して眠り込んでいる人は、意識レベルが下がっていて危険な状態であり 性交に同意できる状況ではありません。 窒息の危険もあるのだから、介抱の必要があります。 そのような時に、性交すること自体が危険であり 性交に同意す