2016年2月1日 朝日新聞(ひと)欄の影響

2016年2月1日に朝日新聞 (ひと)欄に掲載されました。

取材を受ける前

今までも、少しずつ取材を受けていましたが、大きなメディアで、しかも個人に焦点を当てる欄
なので、はたしてどのような余波があるのか、正直、不安と戸惑いがありました。

記者さんとは昨年からのおつきあいで、真面目で熱心なお人柄を信頼していたのですが
私の中で、葛藤があり、返答を少し待ってもらいました。

それでも、ある人に相談したところ
「この問題を伝えるのに必要だと思えば、受けることを考えてもいいんじゃない」

という、言葉に励まされ

もう「まな板の上の鯉でいい!」

と取材を受けて、ありのままを語らせてもらいました。

結果、

「性暴力と刑法を考える当事者の会」の勉強会やイベントにも参加して頂き、とても理解されていた記者さんだったので、伝えたいこともスムーズに伝わったと思います。



記事掲載


(ひと)山本潤さん 性暴力被害者の立場から刑法を考える


記事は、
  600文字弱という少ない文字数に、私の経験や活動や主張までを、伝わる内容として書けていて
「やっぱり、プロってすごいな」
と思いました。

・暴行・脅迫がなくても「抵抗なんてできなかった」
・暴行・脅迫がなくても強い立場などを利用されて性暴力は起こり、多くの被害者が沈黙を強いられている。

・刑法改正の議論の中に、暴行・脅迫の構成要件が不要であるという議論を含めてほしい。

という私の伝えたかったことが、しっかり盛り込まれている内容でした。


記事掲載後の影響

記事掲載された後に気づいたことは
漠然とした不安や恐怖の正体は
不特定多数の人に 「自分の被害経験を知られる恐怖」 であったと思います。

これまでにも、取材経験はありましたが

・講演や活動の囲み記事 
・仲間と一緒の取材 
・理解のある人を購読者に持つメディア

であったので、自分自身を守りながら、少しずつ慣れていったという面があります。

しかし、(ひと)欄は
私自身にスポットライトがあたり、
私からは読んでいる人は見えず、
暗闇の中を、崖から飛ぶような経験でした。

どういう反応をされるのか、悪意に打ちのめされないか、攻撃に傷つかないか
とても心配でした。

でも、思い切って飛んでみたら

新しいステージに移動できました。

今は、自分自身が変化できた体験だと感じています。


思いがけない新しい依頼が舞い込んだり
尊敬している方から、認めてもらえたり
職場でも好意的に受け止めてもらえたり

記事掲載後に起こった一つ一つの出来事が、「取材を受けてよかったんだな」と感じさせてくれています。

否定的な反応は、一つもありませんでした。

この結果につながったのは

取材を受ける時の気持ちが

「この日本で、多くの人が性暴力被害の影響に苦しんでいる。人々にこの現状を知ってもらい、解決につながってほしい」

と願う気持ちであったからだと思います。

その根底の気持ちが、よいエネルギーのある記事になり、よい結果につながったかなと
感じています。

根底にある気持ち、心がけをこれからも大事に、
この問題が解決の方向に前進できるよう、微力でも尽力してしていきたいと思います。






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