家庭内の性虐待と家族行事

民族大移動と呼ばれる年末年始の帰省
一斉に動くから、混むし高い。
この大移動は、他人の動向を気にする日本人の特性にも
影響しているのかなと感じます。

そんな年末年始の後に体調を崩す
サバイバーもいます。

家族から性虐待をうけていた人が
加害者のお祖父さん、お父さん、お兄さん、叔父さん、従兄弟
叔母さん、お姉さんからの被害も聞いたことがありますが、私が耳にするのはほとんどが男性加害者です)
に会うとなると、トリガーなので
そりゃ体調崩すよね、と思います。
(※トリガー 被害を思い出させ、心身の不調をきたすきっかけとなるもの)

家族行事は
年末年始やお盆の帰省
成人式、結婚式、お葬式、祖先の祭礼などの冠婚葬祭
もあり

家族に性暴力のことを伝えていない場合
「○子はいつも帰ってこない」
「恩知らずだ」
などと謗られることもあるのが
辛いところです。

また、加害者がいなくても
実家の部屋の中で性加害が行われることが多いので
場所というトリガーが発動します。
そして加害者以外の家族は、虐待に加わっていなくても
想起させられてしまうのでトリガーになり得ます。


家族から性虐待を受けていた人は
加害者家族に会う
原家族に会う
(※原家族 育てられた家族)
実家や故郷に行く

と体調が悪化する、鬱やパニック発作などの症状が出てくる
ことは
性虐待に関わる専門家・支援者にはよく知られていること
ですが
取材する記者や、性虐待に関わる関係者にも
そこまでの理解や想像力を持っている人は少ないなと感じます。

性虐待だけでなく、身体的・精神的虐待を受けて育った子ども
に起こりうることですし、
暴力の関係者・場所・情報自体がトリガーになることが
もっと社会的に理解されてほしいなと思います。

そして、家族というキーワードが苦しみや不幸
を思い出させるきっかけになることに配慮もあってほしいなと思います。

それは、
「家族を愛せない、私っておかしいの?」
と思ってしまう人もいるので。

自分に苦痛を与える人や環境を愛さなくていい。

そして、これから愛と幸福がある自分の人生を選択することもできる。
そんなことを次回はお伝えできればと思います。












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